はじめまして。今回、ショルダーバッグづくりに携わった高地祐司です。
僕は12年前28歳のときに脳卒中を発症し、突然意識がなくなり、気がついたときには病院のベッドの上でした。一命をとりとめることができた、ということに幸せを感じもしましたが「一生、左半身に麻痺が残る」と聞いてからは「これからの人生どうなるのだろう」「はたして仕事はできるのか」「ずっと人に迷惑をかけ続けながら生きるのか」と、ネガティブな思考に押しつぶされそうな毎日を過ごしました。
リハビリをして、退院。今では以前と同じではないけれど自分らしく働くことのできる仕事を見つけることもできました。幸せを感じる日は増えましたが、「もしも障害がなかったら」とネガティブになる日もあることは事実です。
そんな中、今回「もし僕が片麻痺になっていなかったら生まれなかったバッグ」をつくるプロジェクトに参加をしたことは、僕にとって大きな意義がありました。なぜなら、ここまで障害を肯定された経験がはじめてだったから。そういう意味で、今まで感じたことのない達成感や満足感に満たされました。
このショルダーバッグは半身不随である僕の「使いづらさをゼロにする」ことを目的として作られたバッグです。どのポケットに入った荷物でも、僕の右手1本を1回入れるだけで取り出すことができる。僕にとっては夢のような便利さを機能として備えています。ぜひ、多くの人に使用してもらって「障害って、実はスゴい可能性を持っている」と知ってもらえたら嬉しいです。
使っていただいた人からの「良かった!」の言葉。それは僕だけではなく、きっと多くの障害を持つ人にとって、前向きに生きるチカラとなります。その意味でも、僕はこのOneDe(ワンデ)をはじめとしたインクルーシブデザインでの商品づくりを社会に拡げていきたいと考えています。